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第1回記者懇談会を開催しました

山形大学農学部では、年に数回、記者懇談会を開催しています。
令和8年1月16日(金)に、令和7年度1回目の懇談会を開催しました。発表内容は以下のとおりです。


「農から健幸をつくる -地域食材で実現する健幸づくり-」
 ~地域資源を活用した高血圧予防の社会実装プロジェクト~ ※日本行動医学会第7回奨励賞 受賞

 

 山形大学農学部 助教         五領田 小百合 
 山形大学農学部食料生命環境学科4年  山沢  珠央 
 山形大学大学院農学研究科2年     遠藤  愛梨
 山形大学大学院農学研究科1年     増田  ひかり
 山形大学大学院農学研究科1年     外塚  未夢

本学部の五領田小百合助教は、地域経済の持続化と住民の健康増進を両立する『農から健幸® 』モデルとして、世界で初めて疾患予防が期待される農産物について、栽培管理から食品加工、栄養成分分析、ヒト臨床試験、食行動改善までを一貫して進める包括的な取り組みを構築したことを発表しました。 あわせて、生活習慣病予防の重要課題の一つである高血圧予防について、本モデルに基づく成果を報告しました。

現在、全国の高血圧患者数は約4,300万人と推定されており、本県は男女ともに全国ワーストクラス(男性2位・女性3位)に位置しています。高血圧の主な原因として挙げられるのが「食塩の摂取過多」であり、特に日本海側地域では患者数が多い状況です。

一般的な対策として「減塩」が知られていますが、五領田助教は、疾患予防のために「おいしさ」を我慢することは難しいのではないか、減塩以外の方法はないのかという視点から、体内の余分なナトリウム(食塩)を排出する「排塩」に着目しました。これは、カリウムを十分に摂取することで、体内の余分なナトリウム(食塩)を排出するという、新たな高血圧予防アプローチです。

五領田研究室では、地域農家と連携し、排塩に資する作物(キクイモやだだちゃ豆など)の栽培、成分分析、食品加工を実施するとともに、健康な成人を対象として、体内のナトリウムとカリウムの比率を示す「尿ナトカリ比」を指標としたヒト臨床試験を複数回行うことで排塩効果を実証しました。

これらの成果は、市民向け公開講座などを通じて共有されているほか、2026年度からは「ナトカリ比測定」が特定保健指導対象者を中心に本格導入され、今後、鶴岡市・三川町から段階的に全住民へ測定機会が拡大される予定です。

また、食料生命環境学科4年の山沢珠央さんは、「『農から健幸®』モデルの普及に向け、排塩効果が期待される農作物の栽培技術の確立や、科学的根拠に基づく健康食品の開発・普及を目指していきたい」と抱負を述べました。

五領田助教は、「あくまでも大切なのは、バランスよく食べること。カリウムを多く含む食材を上手に選び、普段の食事に一品プラスしてもらえれば」と話しています。

なお、本研究成果は、日本行動医学会第7回奨励賞を受賞しました。


▲会見の様子
▲左から遠藤さん、山沢さん、五領田助教、増田さん、外塚さん
▲日本行動医学会第7回奨励賞を受賞
▲2025年12月6日に開催された同賞の授賞式

▶詳細資料(PDF)


■掲載日:2026.01.19