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令和8年度 第1回記者懇談会を開催しました

山形大学農学部では、年に数回、記者懇談会を開催しています。
令和8年4月7日(火)に、令和8年度1回目の懇談会を開催しました。発表内容は以下のとおりです。


「だだちゃ®豆のおいしさを決める遺伝子を発見!」

 山形大学農学部 教授   星野 友紀 
 岩手大学大学院連合農学研究科博士課程3年(山形大学配属) 塩谷 直弘 


本学部の星野友紀教授と塩谷直弘さん(岩手連大3年)は、だだちゃ豆とダイズの交雑集団のDNAと成分を解析することで、開花を早める遺伝子 tof11 がエダマメの食味を向上させることを発見したことを発表しました。エダマメの食味成分の高蓄積に関与する遺伝子の発見は、世界で初めてとなります。

本県はエダマメの主要産地であり、特にだだちゃ豆は庄内地域を中心に高い評価を受け、ブランドとして定着しています。本研究は、ユネスコ食文化創造都市・鶴岡のだだちゃ豆に着目し、そのおいしさの理由を科学的に解明することで、ブランド価値のさらなる向上に寄与するものです。さらに、おいしさを決定する遺伝子の活用により、より高品質な作物の開発につながることが期待されます。

本研究では、おいしさを決める遺伝子の探索のため、ダイズとだだちゃ豆を交配し、自殖によって得られた344系統に及ぶ大規模な交雑集団を育成しました。各系統についてDNAと、旨味や甘味のもととなる遊離アミノ酸含量を測定・解析した結果、ダイズにおいて開花や登熟を制御する遺伝子として知られる Time of Flowering(TOF11) の機能欠損型である tof11 が、エダマメの遊離アミノ酸含量を増加させ、食味を向上させることを明らかにしました。 本成果により、だだちゃ豆のおいしさの要因を遺伝子レベルで初めて解明し、ブランド価値のさらなる向上とともに、よりおいしいだだちゃ豆への改良につながることが期待されます。

塩谷さんは「研究のきっかけは、学部生の時にアルバイトでだだちゃ豆に関わり、エダマメを食べた際に『なぜこんなにおいしいのか』と感動し、その理由を知りたいと考えたことです。当研究室で研究を始め、その疑問の一端を解明できたことを嬉しく思います」と語りました。

星野教授は、「交配から始まり、13年にわたり取り組んできました。食味成分の解明は難しい課題ですが、だだちゃ豆の特性を生み出すDNAに迫ることができました。どういったDNAがだだちゃ豆を作るのか、今後もさらに理解を深めていきたい」と述べました。

なお、本研究成果は、3月24日付で国際学術誌Theoretical and Applied Geneticsに掲載されました。


▲研究成果について説明する星野教授(左)
記者からの質問に応じる塩谷さん(右)

4/1プレスリリース


■掲載日:2026.04.08