2005年度「フィールド科学のテクニック」講義経過

 フィールド科学のテクニックは陸上で野外調査を行う際のテクニックについて基本的な知識を会得すること、またフィールド科学のテクニックに関連する知識を入手する方法を会得することにあります。野外調査は日本に限らず世界中で行われており、対象となる自然の事象も様々ですが、講義が実践できる現場は限られます。そこで、この講義では広大なフィールドを持っている本学農学部附属上名川演習林で行うこととしました。講義の対象とした自然事象は主に森林と渓流です。以下に2005年度の講義経過の概要を紹介しましょう。

 1日目午後は自然観察やフィールド調査時の安全を確保する最低限の知識と技術を習得、2日目の午前中は前日会得した知識を総動員したオリエンテーリングを行いました。チームのメンバーは各自の得手、不得手や身体的な特徴を相互に理解しながら、チームの総合力を高めていくことが求められたのです。


ロープワークの説明(8字結び)

 野外調査では様々な自然現象に遭遇しますが、あえて危険に挑む必要はありません。出来るだけ危険を回避するべきです。それでも安全確保が必要なことがありますので、ハーネスの付け方と最低限のロープワークは習得しておく必要があります。

 
安全確認しながらの登行              ハーネスとロープによる安全確保

 安全の確保はフィールドワークの基本事項ですが、各自の知識が身体的特徴と一致しているとは限りません。チームメンバーの得手不得手を相互によく理解したうえでチームとしてフィールドワークを行うと、安全でしかも効率的に仕事ができます。例えば、自然事象を理解するのは誰が得意か、登攀技術は誰が得意か、確保する人は体重が思い方が良い、デジタル的解釈は誰が得意だ、とか様々な個性を上手に融合すれば良い結果が得られるのです。このことを理解するのがこの「フィールド科学のテクニック」の授業だといえるのです。


スギ植林地内のチェックポイント捜索

 

 


オリエンテーリングのチームメンバー

オリエンテーリングの班ごとの成績
得点 順位
29
32
29
23
34
32

後半の授業風景