教育理念・目標
豪雨,豪雪および急峻な地形が多い日本では,国土を保全し,水資源や森林資源を確保しつつ,生物多様性の保全や美しい景観と文化の育成・継承などに持続的に努力する必要があります.近年,山村の過疎化や都市周辺部農村の都市化の進行は,農山村空間の果たす環境保全やアメニティーの重要性と必要性を再認識させつつあります.また,人々はコスト重視の大量生産・消費・廃棄型の発展よりも,自然との調和ある発展を求めるようになってきました.
生物環境学科は,地球的規模での環境問題をも視野に入れ,農山村地域の緑・水・土の科学的解析を基礎に,環境と資源利用の調和について総合的に(グローバルかつローカルに)考えていく力を身につけることを大きな教育の目標としています.これらを実践するためにフィールドでの教育を重視し,自ら学習計画を立てて実行していく能力を重視した教育方針をとっています.さらに,共同作業や討論を取り入れることで相互理解を深める教育方針を重視しています.具体的な教育目標は,以下にあげた各種の能力を身につけた人材を育成することとしています.
具体的な教育目標
- 身近な地域から地球規模までの環境や森林・林業について多面的かつ重層的に物事を考える能力を身につける.
- 地域環境や森林環境資源の基礎知識を取得し,それらをもとに自主的,継続的に学習できる能力を身につける.
- 環境や森林・林業についての知識や技術を身につけたものとしての社会や自然に対する責任を自覚する.
- 地域や社会の抱える現実的な問題を掘り起こし,その解決方法を探る能力を身につける.
- 掘り起こした問題について,高度な情報収集技術を用いて,国際的な視野で情報を収集できる能力を身につける.
- フィールドでの活動を安全にかつ効果的に行うための基本的な技術を修得し,現場で即戦力として使える能力を身につける.
- 共同作業や討論を積極的に取り入れることで事象に対する理解度を深めると共に,学生相互の多様な考えかたを理解させる.
- 調査や実験で得た結果を客観的に解析し,それをもとにした論理的な考察力とそれらを伝える発表力や論文作成力を身につける.
- 事実や結果にもとづいて自分の考えを主張し,議論できる能力を身につける.
- 与えられた条件の下で計画的に仕事を進め,まとめる能力を身につける.
各教育科目のシラバスには上記の具体的な教育目標の番号が明記されていますので,授業選択の参考にしてください.