大学院教育の理念と目標

 地球規模での人口増加に伴う食糧生産の確保、また地球温暖化における森林資源の重要性 が再認識されつつあります。日本でも有数の穀倉地帯といわれる庄内平野−その豊かな水 資源を支える朝日連邦・月山・鳥海山に囲まれた山形大学大学院農学研究科では自然と人 間との共生を念頭に置くと同時に、最先端の科学を取り入れた教育を実践していますが、 庄内という地域からの視点はこのようなグローバルな課題に直結しているといえるのです 。
 一方、生物環境学専攻では大学院教育の目的を、『研究と教育を通じて、人間的・技術的 に優秀な人材を社会に輩出させること』とし、具体には、『学生の研究意欲の向上と研究 の進展に資するだけでなく、社会(産業界)のニーズを考慮した専門性の高い技術と自己 表現技術の習得を通じ、学生の品質を保証することによって、学生が自分のやりたい仕事 に「確実に近づける」だけでなく、就業後は即戦力として社会に貢献できる人材となるこ と』と定義しており、優れた研究者の養成はもちろんですが、それよりもむしろ高度専 門職業人の養成に重点をおいた教育を進めることとしています。 生物環境学専攻では上記の考え方に基づき、多様なフィールドでの実践的な教育、自身の 計画性の尊重、他分野との共同作業や討論会の推進など、学部教育で重視している教育方 針を更に深化させ、発展させることを目標とした教育プログラムを開設し、以下にあげた 各種の能力を身につけた人材を育成することとします。

具体的な教育目標

・問題解決のための調査や実験の計画から実行、データ解析、考察までを実行できる能力 を身につける。
・討論を通じて事象に対する理解度を深めると同時に、的確に自己を表現する能力を身に つける。
・身につけた研究プロセス能力を修了生が今後携わる様々な問題解決のために適用させ、 即戦力として社会に貢献することができる力を身につける。
・上記を実現するために以下の3つの技術を習得させることとします。
(1)研究遂行上のテクニック
(2)自己実現・表現のためのテクニック
(3)高度な専門技術の習得

2006年2月16日一部改正