『菊池俊一先生のWelcome Lecture』が開催されました
 10月22日(木) 301講義室 16:30〜

 ○自己紹介文○

 
多感な学生・院生時代と、多汗(冷や汗?)な助手(助教)時代を北海道大学農学部にて過ごしました。気づくと、四半世紀に渡り北海道の野山を徘徊していたこととなります。

北の大地でどんなことを考えていたのか。急峻な地形に多量の降雨という自然条件を抱える我が国では、地すべり・崩壊や土石流、洪水等の地表変動が生じる、いわゆる変動域が国土の多くを占めています。高い人口密度という社会条件から、地表変動現象は災害という社会現象に進展する場合も多いです。そのような地表変動の履歴を、流域・森林環境の管理・保全・再生の観点から年輪地形学や地生態学的研究をしてきました。また、各種撹乱と生物群集間の相互関連は多種多様であり、その累積が結果として生物多様性や地域独自性を創り上げ、維持していると考えます。動的で多様な流域・森林生態系の持続可能な管理保全の計画及び技術の構築を目標に、流域・森林撹乱と生物群集の相互関連を解き明かす研究を進めたいと考えています。とくに『流域』は物質やエネルギーが水系により連鎖する動的システムであり、その管理保全のためには諸現象を個別事象として切り離さず、いわゆる『流域動態』を鳥瞰的に、より統合的に取り扱うアプローチが必須であると思います。皆さんと積極的に研究交流・議論を行うことにより、学際的な統合科学(流域学?)の構築に取り組んでいきたいと妄想(?)しています。

 今回はお時間を少しいただき、『地べたの動きと生き物の相互関連』と題して、これまでの研究成果や今後の展望・野望などをお話ししたいと思います。

自己紹介 説明
自己紹介 鶴岡に赴任されるまで
参加者
じっくり聴き入る参加者