登熟期の葉色

第2報 葉色による産米の仕分け

○横山克至 ・森静香 ・安藤正 ・柴田康志 ・藤井弘志 ・安藤豊 ( 山形農試庄内支場、 山形大農)

【目的】演者らは前報で、「はえぬき」糊熟期の止葉葉色と成熟期の玄米タンパク質含有率との相関が高いことを明らかにした。このことから糊熟期に葉色を調査することにより、産米を圃場単位で食味(タンパク質含有率)別に仕分けできると考えられる。共同籾調製乾燥貯蔵施設(以後、共乾施設)では生産物が無作為に混合されるため、これを仕分けすることにより有利販売することができ、また糊熟期の葉色が良食味米生産の目安となることから生産者の意識向上が期待される。そこで、糊熟期の葉色による産米の食味別仕分け法について精度等を検証し、また、実際に仕分けに取り組んだ地域での波及効果について調査した。

【試験方法】J.1999〜2001年に各供試圃場について糊熟期に葉色を調査し、葉色別に産米を仕分けし、玄米タンパク質含有率について比較・検討した。@供試品種:はえぬき、A供試圃場:庄内地域の3共乾施設利用地域および庄内支場、B供試点数:140〜150点、C供試圃場の耕種概要:農家慣行、D調査分析項目:a.葉色→ミノルタ葉緑素計(SPAD-502)で出穂後15〜20日に止葉について10株測定。b.玄米タンパク質含有率→ケルダール分析。
K.1999〜2001年に実際に仕分けを実施した地域における糊熟期の葉色の年次変動について調査した。

【結果】@糊熟期の止葉葉色32(出穂後15日)〜31.5(出穂後20日)を境界とし、葉色の濃い産米と淡い産米の玄米タンパク質含有率を比較すると、平均値の差は0.4〜0.9%であった。A試験を行った各年次、各地域とも、産米のタンパク含有率が葉色により仕分けされた結果と異なる圃場は比較的少なく精度は高かった。B実際に仕分けを実施した地域では、前年の仕分け結果が個々の肥培管理に反映し、地域全体で葉色が低下し、圃場間差が小さくなる傾向が見られた。

 
 

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