中干しと水稲の生育・収量
第1報 徳肥窒素量の速いが籾数・収量に及ぼす影響
森 静香・柴田康志・横山克至・安藤 正一・藤井弘志−・安藤 豊
                     
【目的】 ここ数年、登熟期間の高温で稲体が消耗し、登熱が停滞することによる白粒の発生で、産米の品質低下がみられた。白粒歩合は籾数が多いほど高くなる傾向があることから、気象変動による品質低下を防ぐためには、適正な生育量・籾数を確保する生育調節が重要である。その技術の一つである中干しによる籾数の減少が報告されている。そこで、中干しと穂肥窒素量の調節による籾数・収量への影響について検討した。

【試験方法】 T供試品種:はえぬき、V供試ほ場:沖積水田土壌、V基肥窒素量:50kgha-1、W処理区:@入水前の土壌乾燥程度A(最も乾燥した時点の自乾土割合43.9%)、B(同25.8%)、A中干し期間a(0日)、b(10日)およびc(20日)、B追肥窒素量標(20 kgha-1)、少(10 kgha-1)。試験区はA−a−標の様に表示し、A,B処理のb−標をそれぞれの標準区とした。X測定項目:生育、収量、収量構成要素、乾物垂、稲体窒素吸収量。

【結果】 @追肥窒素量標区での中干し開始から出穂期における乾物重、窒素濃度および窒素吸収量 ・A処理:乾物重は標準区と比べて中干しによる差はないが、C一標で窒素濃度および吸収量が低かった。・B処理:窒素濃度は標準区と比べて中干しによる差はないが、C一標で乾物重、窒素吸収量が低かった。

Am2籾数:A、Bどちらの処理においても、すべてのa処理で標準区より多く、すべてのc処理およびb一少区で減少した。
B収量:A処理においてb−少およびc一少で標準区より少なく、その他の処理区はほぼ同様であった。B処理では、C処理で多くその他の処理区は少なかった。




 

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