広大な水田と雪深い森林で、教育・研究と地域社会の持続的な発展をめざす
山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センターは、地域に根ざした他にはない特徴を持っています。その一つは、国内でも比較的大きな実験用水田を有する農場があること、そして演習林が最大積雪
3 m の豪雪地帯 に位置していることです。この特徴を活かし、庄内地域独特の農業研究や実験・実習、積雪寒冷地における森林の生態や利用法など、多岐にわたる研究が進められています。
本センターは、農場での稲作、畑作、畜産 を中心としたエコ農業部門、広大な演習林と生物多様性保全研究園をフィールドとする流域保全部門、そして農業技術者研修や農業や自然体験学習プログラムを提供する社会教育部門の三つの部門から成り立っています。これらの部門は緊密に連携し、それぞれの専門分野で活動しています。また、農場内には在来作物を保全するための「在来作物系統保存センター」も設置されています。
教育研究としては、本学学生の実習や卒論・修士研究の場であると同時に、小学生を中心とした体験学習(「わんぱく農業クラブ」と「森の学校」)、国際協力機構(JICA)の研修生の受け入れにも、本センターは一役を担っています。その他、エコ農業部門で栽培された旬の野菜を販売する農場市、新米の収穫を祝う農場フェスティバル、山形大学ブランドの純米大吟醸酒の生産、地域内での農畜産物の生産・加工・流通・消費を一貫して行う「スマート・テロワール」プロジェクトなど、多彩な取り組みが行われています。
今後は、令和4年度に設立された「アグリフードシステム先端研究拠点 (YAAS)」と、令和6年度に設立された「農山村リジェネレーション共創研究センター」との連携および相互協力を強化しながら、山形大学農学部ならではの特色を持つ研究と教育の場を一層充実・発展させていきます。関係者の皆様には、引き続きご理解とご支援をお願い申し上げます。
令和6年4月
山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センター長 塩野義人
|