山形大学農学部 食料生命環境学科 アグリサイエンスコース 作物育種学分野 星野研究室

研究業績

新着情報

2024/04/01 塩谷君が特別研究員DC1に採用

塩谷君が日本学術振興会の令和6年度特別研究員DC1に採用されました。特別研究員制度とは、我が国の優れた若手研究者に対して、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者の養成・確保を図る制度です。昨年のゴールデンウィークに頑張って申請書を書いて、昨年末に内定の連絡があり、4月より正式に採用が決定しました。本年度の採用率はこれまでより厳しく15%程度だったようですが、塩谷君は学部生の時からの地道な研究成果が評価されて、この難関を突破してくれました。これからは研究奨励金をもらいながら、研究に専念できますね。博士課程での研究成果が非常に楽しみです!

2024/03/16 日本育種学会で口頭発表

日本育種学会第145回講演会が東京大学で開催され、M2の塩谷君が口頭発表を行いました。修士論文のまとめとしての発表となり、多くの興味深いデータを元気に発表してくれました。翌日に鶴岡で修了式があったため、1日のみの参加となりましたが、共同研究者とも打ち合わせができて、充実した学会となりました。塩谷君は来年度から博士課程に進学します。これまでに多くのことが明らかとなってきましたが、残り3年間で研究のさらなる飛躍を期待しています!

○塩谷直弘、横山紗季、高木悠太、宮城敦子、川合真紀、小木曽映里、星野友紀
「ダダチャマメにおける良食味関連QTLの同定と責任遺伝子の推定」

2023/12/09 東北植物学会第13回大会で塩谷君が優秀発表賞受賞

岩手大学で開催された東北植物学会第13回大会で塩谷君がポスター発表を行いました。塩谷君は1週間前に新潟の育種研究集会で発表を終えたばかりでしたが、前回とは異なる新たなアプローチからの結果と考察をまとめたポスターで、元気よく発表していました。育種学会と比べて植物学会は、植物生理学や分子生物学から系統分類学や植物生態学までミクロからマクロにわたる幅広いテーマの研究発表がありました。塩谷君のポスターにも多くの方が聞きにきていただき、様々な質問やアドバイスをいただきました。塩谷君は元気よく発表した甲斐があったのか、ポスター発表の部で「優秀発表賞」をいただきました。おめでとうございます。これまでの努力が評価されて良かったですね。投票いただいた皆様に感謝いたします。塩谷君は今回多くの方から評価をいただけたと同時に、今後の研究の発展を皆様から大いに期待されたと思いますので、引き続き研究を推進していきましょう。M1の高木君も塩谷君の背中をしっかり見て研究を進めていただき、来年はこの学会で元気に発表しましょう。

塩谷直弘、横山紗季、小木曽映里、宮城敦子、川合真紀、星野友紀
「ダダチャマメにおける早期開花遺伝子の推定と食味関連QTLsとの関係性」
優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞

2023/12/02 第18回東北育種研究集会でM2の3名が研究発表

毎年実施される東北育種研究集会に、M2の佐藤さん、西村君、塩谷君の3名が修士論文の内容で研究発表をしてきました。今年は新潟大学の先生達が幹事となり、新潟駅近くの朱鷺メッセで実施されました。素晴らしい会場で発表が出来て良かったですね。3名ともに元気良く楽しそうに発表をしていたので、遠くから眺めていてとても安心しました。多くの方に自分の研究を発表できて、とても良い機会だったと思います。鋭いご指摘もたくさんいただきましたので、修論の中で多いに議論をしましょう。あと約1ヶ月半で修論を完成させなければなりません。最後の頑張りをお願いします!帰りに、新潟で有名な激辛背脂煮干麻婆麺を食べてきました。とても美味しかったです。

○佐藤紗知、杉本和彦、星野友紀
「オワリハタモチより見出された穂発芽耐性遺伝子座 qSdr9.1 および qSdr9.2a の責任遺伝子の探索」

○西村麟太郎、佐野舜一、杉本和彦、星野友紀
「突然変異体を用いたイネ穂発芽耐性遺伝子座 qSdr6bの責任遺伝子の逆遺伝学的証明」

○塩谷直弘、横山紗季、小木曽映里、宮城敦子、川合真紀、星野友紀
「ダダチャマメの良食味に関わる QTL とその責任遺伝子の推定」

2023/09/16 塩谷君が日本育種学会でポスター発表

日本育種学会第144回講演会が神戸大学で開催されて、大学院修士2年の塩谷君がポスター発表を行いました。3月の育種学会では口頭発表を行いましたが、もっと多くの方と議論をしたい、ということで今回はポスター発表を選択しました。発表では、先日公開された新たなDNA抽出法の開発に関する研究を紹介し、多くの方に発表を聞きにきていただいたようで、活発な議論ができました。楽しそうに発表する塩谷君を遠くから見守っていましたが、非常に楽しそうで頼もしく感じました。このような議論の場を楽しめるのは、研究者として非常に重要なことなので、自信を持って良いと思います。多くの鋭いご指摘もいただいたようなので、今後の研究に生かしていきましょう。また、学会では新たな研究アイデアもいただけたので、早速研究室に帰って実験をやってみましょう。結果が楽しみです!

○塩谷直弘、小木曽映里、渡辺昌規、穴井豊昭、星野友紀
作物種子からロングリードシーケンスにも適応可能な高品質/収量DNA抽出法の開発

2023/09/01 塩谷君の総説が日本食品科学工学会誌に掲載

大学院修士2年生の塩谷君が筆頭著者となる総説が日本食品科学工学会誌に掲載されました。3月に投稿していた原稿が受理された連絡は来ていましたが、半年後の9月になって公開されました。現在実施している塩谷君の研究の導入部分を示しながら、今後我々が取り組みたい研究について解説しました。M2の塩谷君にとっては、先日のDNA抽出の論文に引き続き、筆頭著者として3報目の成果となります。修士課程は残り半年を切ってきましたが、やりたい実験はまだまだたくさんあります。収穫作業をしながらで忙しいと思いますが、残りの期間で悔いが残らないように、引き続き実験を進めて行きましょう!

塩谷直弘、星野友紀
在来エダマメのおいしさを決定する遺伝子単離に向けた試み
日本食品科学工学会誌 2023; 70(9):399-404.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/70/9/70_NSKKK-D-23-00024/_article/-char/ja

2023/08/17 塩谷君の論文がPlantsに掲載

大学院2年生の塩谷君が筆頭著者となる論文がPlantsに掲載されました。塩谷君が学部生の時から地道に実施してきた新たなDNA抽出法の開発に関する論文です。九州大学と国立科学博物館との共同研究です。DNAの高品質性を実験的に証明するために、第3次世代シーケンサーであるロングリードシーケンスを実施しました。また、Qubit、Nanodrop、TapeStationによるDNAの濃度や品質のチェックや、qPCRによるゲノム比率の解析等、新たな解析手法にもチャレンジしました。投稿から採択までに少し時間がかかりましたが、圃場作業で忙しい中、追加実験や修正を何度か行い掲載が決まってほっとしました。M2の塩谷君にとっては、昨年の共同筆頭著者の論文に続き筆頭著者として2報目の論文となります。現在は、自ら開発した方法で抽出されたDNAを対象に、大規模なRILのジェノタイピングを実施しており、ダダチャマメの良食味に関連するQTLの検出を目指しています。修士は残り半年程度ですが、引き続き実験を進めて行きましょう!

Shioya N, Ogiso-Tanaka E*, Watanabe M, Anai T, Hoshino T*.
Development of a High-Quality/Yield Long-Read Sequencing-Adaptable DNA Extraction Method for Crop Seeds. Plants. 2023; 12(16):2971. https://doi.org/10.3390/plants12162971

2023/03/27 日本食品科学工学会誌に塩谷君の論文が受理されました

学会発表が終わってひと段落していたところですが、先日修正原稿を投稿していた塩谷君の論文が本日受理されました。ダダチャマメの良食味成分が如何にして高蓄積するのかについて、遺伝学的な解析を用いて行った導入部分の研究報告となります。まだまだ「試み」というところで、大きな成果が得られているわけではありませんが、塩谷君のこれまでの研究成果を一部での形に出来て良かったです。引き続き、さらなる実験と論文執筆を頑張りましょう!

塩谷直弘、星野友紀
「在来エダマメのおいしさを決定する遺伝子単離に向けた試み」(2023)
日本食品科学工学会誌 70:印刷中

2023/3/17-18 日本育種学会にて塩谷君が口頭発表

M1の塩谷君が静岡大学にて初めて全国規模の学会で口頭発表を行いました。発表当日の写真を撮るのを忘れてしまいましたが、初めてとは思えないくらい堂々と元気に発表できて良かったです。私自身コロナ明けで3年ぶりぐらいの学会だったので、聞いているだけですが緊張しました。発表以外にも多くの研究者の方々とお話しをする機会があって、良い経験だったのではないでしょうか。研究では新たな発見があった発表でしたが、さらなる課題も次々に見えてきました。修士課程の大学院生活はあと1年しかありませんが、さらなる課題解決に向けて、日々の研究を頑張りましょう!

○塩谷直弘、藤村啓史、小鹿なつめ、小木曽映里、星野友紀
「ダダチャマメに由来する食味関連形質の量的形質遺伝子座解析」

2023/03/15 塩谷君が農学部長賞を受賞

M1の塩谷君が令和4年度山形大学農学部長賞を受賞しました。M1での1年間の研究成果をご評価いただきました。どうもありがとうございます。学部の時から継続した日々の研究が評価されて良かったですね。塩谷君の受賞は研究材料の栽培や管理、サンプル調整等、研究室の同級生や後輩の研究補助がなくてはなし得なかったことでもあります。研究室のみなさんの協力に感謝します。村山学部長から「次の1年でさらなる研究の発展を期待しています」と激励のお言葉をかけていただきました。現状に満足せず、日々の研究を積み重ねていきましょう!

2022/11/26 第17回東北育種研究集会で研究発表

過去2回はオンライン開催となったこの東北育種研究集会ですが、今年は3年ぶりに東北大学農学部で対面開催となり、大学院生の佐藤さんと塩谷君がポスター発表を行いました。修士1年生の二人にとっては、外部の方を対象としたポスター発表は初めての経験でしたが、二人とも楽しそうに発表をしていました。多くの方から貴重なご意見や質問をいただいたので、今後の研究に生かしましょう。今回の発表では、塩谷君が「優秀ポスター賞」を受賞させていただきました。審査いただいた先生方に感謝申し上げます。4年生の頃から膨大な作業量の実験を真面目にコツコツ取り組んだことが評価されて良かったですね。おめでとうございます。二人の発表ともにまだ研究は道半ばなので、今回の発表をきっかけに、さらに研究が前進するように引き続きがんばりましょう。

○佐藤紗知、三浦智美、大泉武士、大花沙衣、杉本和彦、星野友紀
「オワリハタモチから見出された穂発芽耐性遺伝子座qSdr9.1とqSdr9.2のファインマッピング」

○塩谷直弘、小鹿なつめ、阿部光希、粟野莉奈、小木曽映里、星野友紀
「ダダチャマメとダイズの交雑集団の作出と高ショ糖蓄積に関わる量的形質遺伝子座の推定」

2022/09/29 山形大学異分野交流学会で研究発表

小白川キャンパスで開催された異分野交流学会で研究発表を行いました。塩谷君にとっては、初めてのポスター発表となりました。異分野ということもあり、我々の発表がみなさんに理解されるか不安なところもありましたが、塩谷君の周りには常に聴講者が訪れてくれて、活発な議論ができました。今回の発表では工学部や理学部の先生から、おいしさの定量法や、おいしさを制御する遺伝子等についてたくさんのアドバイスをいただくことができ、貴重な機会となりました。

塩谷直弘、星野友紀
「おいしさの創造に向けたエダマメ食味関連形質の分子遺伝学的解剖」
山形大学異分野交流学会 No.29

2022/08/25 日本食品科学工学会で招待講演発表

九州大学の穴井先生と不二製油の中森様のご紹介で、日本食品科学工学会の研究小集会(大豆)で研究発表を行いました。発表のご推薦をいただき、ありがとうございます。修士課程1年の塩谷君にとっては、初めての外部に向けた研究発表となりました。本来、東京農業大学での開催予定でしたが、残念ながらオンラインでの開催となりました。本人は緊張した、と言っていましたが、落ち着いていて分かりやすく素晴らしい発表ができたと思います。我々にとっては異分野での学会発表でしたが、発表の後には、いくつかの問い合わせをいただくなど、少なからず講演の反響があって良かったです。まだ我々の研究は発展途上の段階なので、今後の研究のモチベーション向上に繋がりました。

塩谷直弘、星野友紀
「在来エダマメのおいしさを決定する遺伝子単離に向けた試み」
日本食品科学工学会 第69回大会講演会 第13回研究小集会(大豆)p59

2022/07/13 Plantsに論文が掲載されました

令和2年度に大学院を修了した小鹿さんと現在大学院生の塩谷君の共同筆頭著者の論文がPlantsに掲載されました。現在4年生の藤村君と大口さんが、3年生の時に実施した成果も含まれています。山形県と共同で、エダマメの新品種育成を目指し、新規なエダマメ突然変異集団を構築して開花関連突然変異体を選抜しました。これまでの研究室の学生が、頑張って圃場作業をしてくれた努力がようやく形になりました。今後は、作成した突然変異体を利用して、新たなエダマメ品種の育成に取り組みます。

KOSHIKA, N., SHIOYA, N. (co-firist auther), FUJIMURA, T., OGUCHI, R., OTA, C., KATO, E., TAKAHASHI, R., KIMURA, S., FURUNO, S., SAITO, K., OKABE, K., WATANABE, M., HOSHINO, T.* (2022)
Development of Ethyl Methanesulfonate Mutant Edamame Soybean (Glycine max (L.) Merr.) Populations and Forward and Reverse Genetic Screening for Early-Flowering Mutants.
Plants 11:1839.

2021/12/11-12 東北植物学会第11回大会にて口頭発表

毎年開催されている東北植物学会ですが、2年ぶりに福島大学において対面で実施され、M2の佐野君が初めて対面で口頭発表を行いました。卒業研究から初めて3年半で得られたたくさんの面白い成果を、元気よく発表してくれました。来年、修士課程に進学する4年生の塩谷君と佐藤さんは現地で口頭発表を見学し、いい刺激になったようです。来年はぜひ二人に発表してもらいたいですね。 佐野君、お疲れ様でした。修論提出と発表会まで、あと少し頑張りましょう!

○佐野舜一、黄浚彦、飯島信繁、杉本和彦、星野友紀
「イネ穂発芽耐性QTL・Sdr6領域に2つ存在したqSdr6aqSdr6bの候補遺伝子の同定」

2021/12/04 第16回東北育種研究集会 佐野君が2連続優秀ポスター賞受賞

毎年東北地区で開催されている研究集会ですが、今年も残念ながらオンラインでの開催となりました。M2の佐野君は、昨年度卒業した黄君の卒業研究をベースに新たなデータを加えポスター発表を行い、2年連続で優秀ポスター賞を受賞することができました。審査をしていただいて先生方に感謝を申し上げます。賞をもらえることは非常に光栄でとても嬉しいですが、賞をもらえなくても素晴らしい発表がたくさんあります。 学会発表は賞をもらうために発表をするわけではなく、自分で行った研究成果を多くの方に聞いてもらい、一緒に議論をする場です。その経験が、今後の研究や就職後に生かされると思います。後輩の皆さんは、佐野君の受賞をプレッシャーに感じることなく、独自のスタイルで元気に研究発表を行って欲しいですね。佐野君、圃場作業と実験を毎日頑張ったことが認めてもらえて良かったね。おめでとう!

○佐野舜一、黄浚彦、飯島信繁、杉本和彦、星野友紀
「イネ穂発芽耐性QTL・Sdr6領域に2つ存在したqSdr6aqSdr6bの候補遺伝子の同定」

2020/12/12 第15回東北育種研究集会 福島大学 佐野君が優秀ポスター賞を受賞

M1の佐野君がオンラインで研究発表を行い、研究発表27題の中から見事優秀ポスター賞に選ばれました。この成果は、研究室全員で圃場作業を行い、みんなの協力のもとに大規模に発芽率を調査したことで成り立っています。今後もさらに面白い結果が出るよう、みんなで協力して圃場作業と実験を頑張りましょう。

◯佐野舜一、飯島信繁、杉本和彦、星野友紀
「イネ穂発芽耐性QTL・qSdr6aの候補遺伝子の同定」

202012/12-13 東北植物学会第10回大会 山形大学

M2の小鹿さんとM1の佐野君がオンラインで研究発表を行いました。小鹿さんは修士論文に関する成果を、佐野君は卒業論文に関する成果をまとめ、口頭発表を行いました。2人とも口頭発表は初めてでしたが、堂々として素晴らしい発表でした。佐野君は優秀発表賞の次点でした。来年こそは受賞できるといいですね。そのためにも、さらに面白い成果を求めていきましょう。

◯小鹿なつめ、岡部和広、星野友紀
「突然変異による山形県産エダマメの生産力強化」

◯佐野舜一、飯島信繁、杉本和彦、星野友紀
「イネ穂発芽耐性量的形質遺伝子座qSdr6aの責任遺伝子の同定」

2020/04/30 Genetic Resources and Crop Evolutionに論文が掲載されました

本研究室修士第1号の学生である川上さんが主体的に行ったつや姫突然変異集団の構築に関する研究が論文になりました。山形県水田農業試験場との共同研究です。研究室の立ち上げ期から、川上さんが地道に研究を行った成果です。川上さんが開発したこのつや姫突然変異集団を使って、現在後輩たちが、穂発芽耐性や高温耐性、良食味等の有用形質に使用可能な新規な変異アリルの探索を行っています。

KAWAKAMI, T., GOTO, H., ABE, Y., CHUBA, M., WATANABE, M., HOSHINO, T.  (2020)
High frequency of transversion mutations in the rice mutant population produced by diepoxybutane mutagenesis.
Genetic Resources and Crop Evolution, 67:1355-1365

(研究内容)
遺伝子の機能解明や育種利用のための遺伝資源の拡大にとって、新たな遺伝子変異の創出は極めて重要です。本研究は、ハンドリングよくノックアウト変異を導く小規模欠失を期待して化学変異源であるDEBを用いて新たなつや姫突然変異集団を作出し、その有効性を検証しました。TILLING法を用いたwaxy変異体の探索によって、我々はDEB変異集団から5つの変異体の単離に成功しました。これら変異体の一部は、食味評価が高まる育種利用が期待できる低アミロース形質を有し、これら変異アリルを利用するためのDNAマーカーを開発しました。EMSは既報の通り主にトランジッション変異を誘発しましたが、興味深いことにDEBは、当初我々が期待した小規模欠失は起こさないものの、特異的にトランスバージョン変異を誘発することが明らかになりました。以上の結果より、新たな変異作用点を有するDEBは、作物の遺伝資源の拡大に有効であることが示されると同時に、開発された新規なつや姫突然変異体の有効性が示されました。

2020/03/28-29 日本育種学会 第137回大会にて研究発表 東京大学

佐野君の初めての口頭発表のはずでしたが、残念ながら中止になってしまいました(要旨集の公開をもって発表は成立します)。

◯佐野舜一、飯島信繁、杉本和彦、星野友紀
「イネ穂発芽耐性QTL・qSdr6aの候補遺伝子の同定」

2020/03/01 Plant Geneに論文が掲載されました

飯島君、畑君、渡辺さん、川上さんが行った高ステアリン酸突然変異体の研究が論文になりました。
学生が主体的に行った研究が国際的な雑誌に認められました。

HOSHINO, T., IIJIMA, N., HATA, M., WATANABE, A., KAWAKAMI, T., ANAI, T.(2020)
Molecular characterization of high stearic acid soybean mutants and post-transcriptional control of GmSACPD genes in the mutant with a single nucleotide deletion.
Plant Gene, 21:100207

(研究内容)
ダイズの種子において脂肪酸構成成分の1つであるステアリン酸を多く蓄積する原因遺伝子を複数同定し、それらの変異形態を明らかにしました。本研究で得られた1塩基欠損突然変異体は、NMDによる転写後発現抑制によって、変異が生じた遺伝子発現が抑制されると同時に、RNAiによって変異が生じた遺伝子と類似する重複遺伝子の発現まで抑制されていることを見出しました。今回明らかにされた転写後発現抑制のメカニズムは、ゲノムサイズが大きく重複遺伝子を多く保有する作物の品種改良にとって、1つの遺伝子の変異創成によって複数の遺伝子機能の抑制を可能にすることが証明され、作物育種の効率化が期待できます。

2019/12/14-15 東北植物学会 第9回大会にて研究発表 秋田県立大学

佐野君と石川君の卒論テーマでの研究発表でした。佐野君は9月に行われた植物学会に続いて2回目、石川君は初めての発表でした。懇親会では、秋田名物なまはげに会いました。

◯佐野舜一、小鹿なつめ、飯島信繁、石川広朗、杉本和彦、星野友紀
「突然変異体を利用した穂発芽耐性遺伝子座qSdr6aの責任遺伝子の同定」

◯石川広朗、飯島信繁、佐野舜一、杉本和彦、星野友紀
「第9染色体に座乗する穂発芽耐性遺伝子座qSdr9.1とaSdr9.2のファインマッピング」

2016/11/12 第11回東北育種研究集会にて研究発表 山形大学

○ 川上珠恵、吉田拓也、後藤元、阿部洋平、中場勝、星野友紀
「「つや姫」の食味評価向上を目指した突然変異集団からの低アミロース変異体の探索」

○飯島信繁、畑昌和、渡辺杏里、滝口加菜、上村千穂、川上珠恵、穴井豊昭、星野友紀
GmSACPD-2a遺伝子の一塩基欠損によって生じた重複遺伝子群の転写後発現抑制」

○畑昌和、飯島信繁、上村千穂、川上珠恵、太田千恵、五十嵐徹、石山秀峰、星野友紀
「エダマメ生産力の強化に向けた突然変異による「秘伝」開花期の改変」

2016/09/24-25 日本育種学会 第130回講演会にて研究発表 鳥取大学

○川上珠恵、吉田拓也、後藤元、阿部洋平、中場勝、星野友紀
「TILLING法による「つや姫」突然変異集団からの低アミロース変異体の単離」

○飯島信繁、畑昌和、渡辺杏里、滝口加菜、上村千穂、川上珠恵、穴井豊昭、星野友紀
「X線照射によって得られた高ステアリン酸ダイズ突然変異体におけるGmSACPD遺伝子の転写後発現抑制」

2016/07/19 学長定例記者会見において研究発表をしました

山形県は、県内各産地において、高品質なブランドエダマメを生産しています。
しかし、山形県産のエダマメには、県産ブランド米である「つや姫」に代表されるようなオール山形として統一された品種は存在せず、さらに各品種の出荷時期が限定されており、持続的な安定栽培・出荷ができていません。そこで本研究では、山形県のエダマメ生産量を日本一にし、TPP導入を控えて疲弊する地域社会に活力を与えるべく、良食味で高品質なエダマメのリレー出荷が可能となる、新規なブランドエダマメ品種を開発します。

2016/02/09 山形大学COCシンポジウムで研究発表を行いました

○飯島信繁,畑昌和
「おいしい山形印の新ブランドエダマメ品種の開発」

2015/12/19 東北植物学会第5回大会にて研究発表 福島大学

○川上珠恵,吉田拓也,石川衿子,阿部勝磨,後藤元,中場勝,星野友紀
「「つや姫」DEB突然変異集団からのデンプン代謝系突然変異体の単離」

○吉田拓也,川上珠恵,石川衿子,阿部勝磨,阿部洋平,後藤元,中場勝,星野友紀
「「つや姫」DEB突然変異集団の作出と出穂期突然変異体の単離」

○上村千穂,川上珠恵,相澤拓,橋本阿佐美,吉田拓也,芳士戸啓,王莫非,飯島信繁,畑昌和,森茂太,星野友紀
「収量性の向上を目指した水稲品種群における器官別呼吸速度の比較」

2015/09/11 日本育種学会 第128回講演会にて研究発表 新潟大学

○川上珠恵,吉田拓也,石川衿子,阿部勝磨,後藤元,中場勝,星野友紀
「逆遺伝学的解析に適応した水稲品種「つや姫」DEB突然変異集団の作出と評価」

2014/11/15 第9回東北育種研究集会(岩手大学)にてポスター発表を行いました

星野友紀・渡辺啓史・高木胖・穴井豊昭
「TILLING法による低リノレン酸ダイズ突然変異系統の開発」
石川衿子・阿部勝磨・星野友紀
「塩基置換および欠失特異的な切断活性を有するCELIの抽出と反応条件の検討」

第8回東北育種研究集会にてポスター発表を行いました

「DNA修復欠損突然変異体を利用したイネ高効率突然変異リソース開発への試み」

発表論文

  • KAWAKAMI, T., GOTO, H., ABE, Y., CHUBA, M., WATANABE, M., HOSHINO, T. (2020)
    High frequency of transversion mutations in the rice mutant population produced by diepoxybutane mutagenesis.
    Genetic Resources and Crop Evolution, 67:1355-1365
  • HOSHINO, T., IIJIMA, N., HATA, M., WATANABE, A., KAWAKAMI, T., ANAI, T. (2020)
    Molecular characterization of high stearic acid soybean mutants and post-transcriptional control of GmSACPD genes in the mutant with a single nucleotide deletion.
    Plant Gene, 21:100207
  • MIZUNO, Y., YAMANOUCHI, U., HOSHINO, T., NONOUE, Y., NAGATA, K., FUKUOKA, S., ANDO, T., YANO, M., SUGIMOTO, K. (2018)
    Genetic dissection of pre-harvest sprouting resistance in an upland rice cultivar.
    Breeding Science, 68:200-209
  • NISHIZAWA-YOKOI, A., CERMAK, T., HOSHINO, T., SUGIMOTO, K., SAIKA, H., MORI, A., OSAKABE, K., HAMADA, M., KATAYOSE, Y., STARKER, C., VOYTAS, D. F., TOKI, S. (2016)
    A defect in DNA ligase4 enhances the frequency of TALEN-mediated targeted mutagenesis in rice.
    Plant Physiology, 170:653-666
  • HORI, K., NONOUE, Y., ONO, N., SHIBAYA, T., EBANA, K., MATSUBARA, K., OGISO-TANAKA, E., TANABATA, T., SUGIMOTO, K., TAGUCHI-SHIOBARA, F., YONEMARU, J., MIZOBUCHI, R., UGA, Y., FUKUDA, A., UEDA, T., YAMAMOTO, S., YAMANOUCHI, U., TAKAI, T., IKKA, T., KONDO, K., HOSHINO, T., YAMAMOTO, E., ADACHI, S., NAGASAKI, H., SHOMURA, A., SHIMIZU, T., KONO, I., ITO, S., MIZUBAYASHI, T., KITAZAWA, N., NAGATA, K., ANDO, T., FUKUOKA, S., YAMAMOTO, T., YANO, M. (2015)
    Genetic architecture of variation in heading date among Asian rice accessions.
    BMC Plant Biology, 15:115
  • HOSHINO, T., WATANABE, S., TAKAGI, Y., ANAI, T.(2014)
    A novel GmFAD3-2a mutant allele developed through TILLING reduces α-linolenic acid content in soybean seed oil.
    Breeding Science, 64:371-377
  • UEDA, J., TADA, T., HOSHINO, T., MIYAMOTO, K., UHEDA, E. and OKA, M. (2012)
    Isolation of PsPINs and PsAUX1 cDNAs encoding putative auxin efflux and influx carriers and/or facilitators, respectively, from etiolated epicotyls of an agravitropic pea (Pisum sativum L.) mutant, ageotropum.
    Biological Sciences in Space, Vol.26:32-41.
  • MARZOUGUI, S., SUGIMOTO, K., YAMANOUCHI, U., SHIMONO, M., HOSHINO, T., HORI, K., KOBAYASHI, M., ISHIYAMA, K. and YANO, M. (2012)
    Mapping and characterization of seed dormancy QTLs using chromosome segment substitution lines in rice.
    Theoretical and Applied Genetics, Vol.124:893-902.
  • ANAI, T., HOSHINO, T., IMAI, N. and TAKAGI, Y. (2012)
    Molecular characterization of two high-palmitic-acid mutant loci induced by X-ray irradiation in soybean.
    Breeding Science, Vol.61:631-638.
  • HOSHINO, T., KAWASHITA, N., TAKAGI, Y. and ANAI, T. (2011)
    Molecular characterization and marker development of mid-oleic-acid mutant M23 for the development of high-oleic cultivars of soybean.
    Plant Breeding, Vol.130:544-550.
  • HOSHINO, T., TAKAGI, Y. and ANAI, T. (2010)
    Novel GmFAD2-1b mutant alleles created by reverse genetics induce marked elevation of oleic acid content in soybean seeds in combination with GmFAD2-1a mutant alleles.
    Breeding Science, Vol.60:419-425.
  • KOMATSU, S., SUGIMOTO, T., HOSHINO, T., NANJO, Y. and FURUKAWA, K. (2010)
    Identification of flooding stress responsible cascades in root and hypocotyl of soybean using proteome analysis.
    Amino Acids, Vol.38:729-738.
  • HOSHINO, T., MIYAMOTO, K. and UEDA, J. (2007)
    Gravity-controlled asymmetrical transport of auxin regulates a gravitropic response in the early growth stage of etiolated pea (Pisum sativum) epicotyls: studies using simulated microgravity conditions on a three-dimensional clinostat and using an agravitropic mutant, ageoropum.
    Journal of Plant Research, Vol.120:619-628.
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    Auxin polar transport of etiolated ageotropum pea epicotyls is not affected by gravistimulation: Relevance to automorphosis-like growth and development.
    Advances in Space Research, Vol.39:1140-1146.
  • HOSHINO, T., MIYAMOTO, K. and UEDA, J. (2006)
    Requirement for the gravity-controlled transport of auxin for a negative gravitropic response of epicotlys in the early growth stage of etiolated pea seedlings.
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  • MIYAMOTO, K., HOSHINO, T., HITOTSUBASHI, R., YAMASHITA, M. and UEDA, J. (2005)
    Automorphosis-like growth in etiolated pea seedlings is induced by the application of chemicals affecting perception of gravistimulation and its signal transduction.
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  • HOSHINO, T., HITOTSUBASHI, R., MIYAMOTO, K., TANIMOTO, E. and UEDA, J. (2005)
    Isolation of PsPIN2 and PsAUX1 from etiolated pea epicotyls and their expression on a three-dimensional clinostat.
    Advances in Space Research, Vol.36:1284-1291.
  • MIYAMOTO, K., HOSHINO, T., YAMASHITA, M. and UEDA, J. (2005)
    Automorphosis of etiolated pea seedlings in space is simulated by a three-dimensional clinostat and the application of inhibitors of auxin polar transport.
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    Root structure and cell-wall extensibility of adventitious roots of tea (Camellia sinensis cv, Yabukita).
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  • UEDA, J., MIYAMOTO, K., YUDA, T., HOSHINO, T., FUJII, S., MUKAI, C., KAMIGAICHI, S., AIZAWA, S., YOSHIZAKI, T., SHIMAZU, T. and FUKUI, K. (1999)
    Growth and development, and auxin polar transport in higher plants under microgravity conditions in space: BRIC-AUX on STS-95 space experiment.
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