山形大学農学部

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セネガル通信⑤

青年海外協力隊野菜栽培員 佐藤 麻衣 (平成29年3月 本学大学院農学研究科修了)

こんにちは,佐藤麻衣です。久々の投稿になってしまいました。今回は野菜を売る市場の様子をお伝えします。

市場と言っても日本で想像する大きくてきれいなものではなく,いわゆる青空市です。机や地べたに野菜を広げて売ります。いっぱいお店があるように見えて,実は扱っているものはほとんど同じです。私も初めは店ごとに違いがあるんだと思ってよく観察し質問していたのですが全く違いが見当たりません。なぜでしょうか。実は市場の中には中央卸売市場から物を仕入れる仲買人が数人いて,その人たちから朝に野菜を仕入れて店に置いているためみんな同じ野菜になるのです。隣の人と同じものを同じ値段で売る,というのは競争をさけるセネガル文化です。道路沿いに店を構える果物屋もみんな同じものを扱い同じディスプレイをします。同じ系列のコンビニが隣同士にある感覚です。

  

普段みなさんは野菜を買うときにどうやって買いますか。日本では1個ずつのばら売りと袋に入った形が一般的です。セネガルの一般的な市場では野菜は包装されているものはほとんどありません。私は買い物かごを持って市場に出かけます。

セネガルでの野菜の買い方は①欲しい重さ分買う②欲しい値段分買う,の2通りあります。①の欲しい重さ分買うは想像しやすいと思います。いわゆる量り売りというものです。野菜の量り売りはなかなか見たことがありませんが,肉の量り売りと同じです。「○○gください」と言ってお願いするのですが,お店の人が持っている天秤の重りの関係で250g,500g,1㎏単位でしか買うことができません。おかげで、いまでは野菜を手で持って1㎏がだいたい分かるようになりました。1㎏のジャガイモやタマネギは消費にこまりませんが,250gのオクラは相当の量になります。
少しだけ欲しいんだけどなっというときに使うのが②欲しい値段分買うという方法です。小ネギやオクラなどは50F(フラン)分くださいというとその分だけ分けてくれます。

店先に100Fずつの山にしておいてくれるところもあります。ただこの分け方は感覚的なところもありとても適当です。「1㎏500Fって言ってたけど,そうしたらこの100Fの山って小さくない?」ということもしばしば。逆に山で買った方がお得だと思うこともあります。まとめ買いがかならずしもお得とは限らないので見極めることが必要です。

セネガルの文化で面白いなと思った点は,「チェブジェン(セネガルの国民食)用に500F分の野菜ちょうだい」という買い方をよく行います。そうすると店の人が500Fになるように茄子,人参,大根,ねぎ等々を詰め合わせてくれます。日本でいうお鍋の具セットのようなものです。「かぼちゃは嫌いだから抜いてね」なんて注文もできて,とても便利な買い方だなと思います。

物を買うときは値札がないので交渉が必要です。私が住んでいる地域は小さいためみんなが顔見知りです。そのため私に定価よりも高い値段をいうことはありません。しかし全く知らないところに行くと外国人なのでとても高い値段を吹っかけられることがよくあります。ある市場で他の日本人が店の人に言われるがままにお金を出そうとしたとき,「いま人参って1㎏300Fだよね?」と言うと,店の人もだませないと分かりすぐに値段を下げてくれます。毎週のように市場調査をしている私の頭の中には今の時期の野菜の値段がしっかりと入っています。物の値段を知っておくことは値札のないセネガルでは大事なことです。