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セネガル通信⑥

青年海外協力隊野菜栽培員 佐藤 麻衣 (平成29年3月 本学大学院農学研究科修了)

 こんにちは,佐藤麻衣です。セネガルの生産物と言えばなにを思い浮かべますか?この頃は大阪のたこ焼きのタコがセネガル産という話がありましたね。セネガル国内では食べる習慣がないため任地で目にすることはありません。
 途上国と言えばプランテーション農業を見ることができるのではないかとうきうきしていたのですが,残念ながらセネガルにはカカオ,コーヒー,茶といった作物を見ることはできません。

 セネガルの主な生産物は落花生です。これはセネガルの内陸部で盛んに栽培されています。もともと落花生栽培がされていたわけではなく,20世紀初期にフランスが植民地化する際に土地が豊かではない砂地の開発に落花生栽培を選び統治の道具として活用されました。その後,農民には落花生栽培はイスラム教団のムリッド教の教えという形で伝えられ,栽培が推進されました。

 落花生は雨季が始まるとすぐに種まきが始まります。基本的に天水で栽培をするため栽培期間は6月末から10月中旬です。昨年度は雨が降って種まきをしたものの,7月の降水日が少なく多くの芽が枯れてしまいました。天水栽培の難しいところです。収穫期になると家族総出で朝から畑に行き,馬を使って収穫を行います。畑に積んである程度乾燥させた後,家に運び殻剥きの作業に入ります。この時期にセネガル人のお家を訪ねるとお土産で落花生をたくさんもらうことはあるあるです。夏になると鶴岡でエダマメを袋いっぱいにもらってきてたなと光景が重なり懐かしくなりました。

 殻むき作業は女性の仕事です。家事の合間や会合の合間などどこにでも落花生を持っていきお喋りしながら1年中剥いています。剥いたものは選別し,良いものは次の年に蒔く種として取っておきます。虫が食べたり欠けてしまっているものはペースト状に加工したり,すりつぶして粉にして料理に使います。また剥いたものを塩や砂糖をまぶしたり,フロランタンのようにキャラメルと混ぜて固めたものなど様々な形で売っています。ちょっと小腹が空いたときに手軽に買えるため,子供たちも大好きです(1袋25F,約5円)。

(2019.7.2掲載)