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第6回記者懇談会を開催しました

山形大学農学部では、年に数回、記者懇談会を開催しています。
9月11日(金)に、令和2年度第6回目の懇談会を開催しました。発表内容は以下のとおりです。


「菌根共生系のリン応答と持続的作物生産・環境修復への応用研究」
  ~第65回(2020年度)日本土壌肥料学会賞~

                     教授  俵谷 圭太郎(植物栄養学・土壌学) 
                     

【概要】

俵谷圭太郎教授(植物栄養学・土壌学)が、2020年9月8日から10日に開催されました日本土壌肥料学会2020岡山大会(オンライン開催)において、第65回(2020年度)日本土壌肥料学会賞を受賞しました。この賞は、土壌・肥料・植物栄養学及びこれらに関連する環境科学に関する顕著な業績や功績に対して贈られ、今回、俵谷教授を含む3名が受賞しました。

本研究では、菌根菌(植物の根に共生している土壌中の糸状菌。陸上植物の8割と共生)の植物の生育に必要なリン酸吸収を促進するメカニズムについて明らかにし、農林業における利用方法について確立しました。

作物を栽培する際、リン酸を含む肥料が多くで使われていますが、現在日本では比較的に安く購入できることから、これまで菌根菌が活用される機会がほとんどありませんでした。しかし日本では、リン資源は完全に海外からの輸入に依存している状況であり、将来的な天然資源の枯渇化が懸念されてます。本研究により、リン施肥量の多い作物については菌根菌の活用によりリン肥料の大幅な節減が可能となり、さらに菌根菌による不可給態リン酸の獲得機能を利用することができれば、化学肥料に依存しない資源循環型作物生産システムの構築化が期待されます。


   
▲俵谷 圭太郎 教授


■掲載日:2020.09.16