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生産機械学研究室の大学院生が農業食科工学会東北支部大会で学生奨励賞を受賞

 岩手大学大学院連合農学研究科(山形大学・生産機械学研究室所属 )森 智洋さんが、2020年12月19日(土)にオンライン開催された「令和2年度農業食科工学会東北支部大会研究発表会」において、昨年に続き2度目となる「学生奨励賞」を受賞しました。今回の受賞は、研究内容の新規性と重要性、そしてプレゼンテーションの質の高さが評価されました。おめでとうございます!

◆発表題目
「データセットに含むエダマメ品種の違いによる物体検出AIのエダマメ外観品質分類精度の変化」

    

«森 智洋さん受賞コメント»

この度は、光栄なことに農業食料工学会東北支部大会(オンライン)で学生奨励賞を頂きました。本研究をご指導頂きました片平光彦教授や本研究に携わった株式会社ViAR&Eの市浦茂様、そして研究室の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。 この場をお借りして、改めてお礼を申し上げます。
本研究では、高精度なエダマメ外観精選別用の物体検出AIを作成する際に、どのようなエダマメ品種の画像を準備するべきか調査しました。物体検出AIとは、画像や動画の中から「どこに、何が」あるのか見つけ出すAIです。物体検出AI(以下、AI)は、私たちがAIに見つけて分類してもらいたい対象物が写っている画像や動画を準備し、ディープラーニングと呼ばれる技術を用いて作成されます。エダマメ精選別作業のほとんどが人手により行われているため機械化が望まれていますが、そのためには高精度な精選別機が必要になります。そのような精選別機を作成するにはエダマメの外観品質を分類するソフトウェアが必要であり、こうしたAIの開発は必須となります。
私の以前の研究において、AI作成用に準備した画像に複数種類のエダマメ品種が写っているとAIの精度が低下することがありました。現在、AIの研究が世界的に多岐にわたって行われていますが、AIの原料である画像の内容がAIの精度に及ぼす影響を調査した事例はほとんどありません。AIの作成者がどのような画像を収集すべきであるか明確にできないと、AI作成の最初のステップである画像収集の方針が定まりません。私は、こうした基礎的なことを明らかにしていくことがAIの現場実装の実現に繋がると考え、本研究に取り組みました。
今後もこのような「現場目線」の課題を研究し、様々なところへAIを普及させる手助けができたら幸いです。

     
 ▲発表時の森さん(左)と授与された賞状(右)  

 

■掲載日:2021.1.19