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第10回記者懇談会を開催しました

山形大学農学部では、年に数回、記者懇談会を開催しています。
令和3年1月27日(水)に、令和2年度第10回目の懇談会を開催しました。発表内容は以下のとおりです。


「野生動物問題に関する現状と今取り組むべき課題~SDGs達成に向けた試み~」

 山形大学農学部 准教授 江成 広斗(森林動物管理学)


【概要】

本学の江成広斗准教授(森林動物管理学)は、本県における野生動物問題に関する現在の状況と今後の課題について述べました。

これまで本県では、サルやハクビシンによる果樹等への農業被害が深刻化していましたが、ここ5年ほどで状況が一変し、イノシシやニホンジカの分布拡大による問題が多様化していることについて言及しました。イノシシは本県において爆発的な増加段階(増加相)にあり、またシカについても同様の可能性が高まっています。また、これまであまり注目されてこなかったアライグマ(特定外来生物)の侵入痕跡も各地で確認されており、今後の動向に十分注意が必要であると述べました。

こういった状況から、将来的には農業被害のさらなる拡大と深刻化、住宅地における生活被害の拡大、人獣共通感染症拡大への懸念、精神的被害の拡大などが予測されるとし、今取り組むべき課題として、①対策の徹底普及(誤った対策から脱却)、②生活被害の予防・軽減に向けた行動計画の作成、③人材育成と組織作りといった点が挙げられました。


▲江成 広斗 准教授    

 

■掲載日:2021.1.29