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作物育種学研究室の大学院生が東北育種研究集会で優秀ポスター賞を受賞

 2021年12月4日(土)にオンラインで開催された「第16回東北育種研究集会」において、大学院農学研究科生物資源学専攻2年の佐野舜一さんが発表を行い、優秀ポスター賞を受賞しました。佐野さんは、昨年度も同賞を受賞しましたが、昨年度の報告を発展させ、今回は新たな解析結果を報告し、2年連続の受賞となりました。
 本研究集会は、東北地区内で毎年1回開催されており、本年度は昨年と同様に感染症対策のためにオンラインで開催されました。東北大学、岩手大学、弘前大学、新潟大学、福島大学、秋田県立大学と山形大学の遺伝・育種学に関連する研究発表18題の中から、優秀ポスター賞(2名)が表彰されました。
 今回、佐野舜一さんが受賞の対象となった発表演題は「イネ穂発芽耐性QTL・qSdr6領域に2つ存在したqSd6aqSdr6bの候補遺伝子の同定」で、黄浚彦氏(山形大・農・食料生命環境)、飯島信繁氏(同所属)、杉本和彦氏(農研機構 次世代作物開発研究センター)、星野友紀氏(同所属)との連名です。
 本研究は、インド稲品種が保有する発芽を抑制するQTL座解析と候補領域近傍の遺伝子発現解析、および突然変異体を利用した逆遺伝学的解析によって、Sdr6領域に座乗するqSdr6aqSdr6bの候補遺伝子の同定に成功しました。今回明らかにされた新規な穂発芽耐性遺伝子は、イネ穂発芽の抑制と種子の品質向上のための品種改良に利用されることが多いに期待されるとともに、イネの発芽の分子メカニズムの一端を明らかにすることができました。
 本研究の一部は、JSPS科学研究費(21K05868、17K0810164)および(公財)エリザベス・アーノルド富士財団、(公財)高橋産業経済研究財団の支援を受けて実施されました。

▲研究室にて、同じ研究室の後輩と一緒に賞状を手にする佐野舜一さん(写真中央)
▲9月下旬、穂発芽試験のために大学の圃場で種子をサンプリングする佐野舜一さん(中央)と研究室の後輩たち

 

■掲載日:2021.12.09