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本学大学院生が第12回東北植物学会で優秀発表賞を受賞しました

 農学研究科修士2年・玉川加奈さん(植物遺伝・育種学分野)が、12月10、11日に宮城大学で行われた第12回東北植物学会で「日本のゼンテイカ類(トビシマカンゾウ、ニッコウキスゲ、エゾゼンテイカ)の系統関係の解明」というタイトルで発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。
 玉川さんは、鳥海山・飛島ジオパークなどとの共同研究でトビシマカンゾウ、ニッコウキスゲなどのゼンテイカ類の系統関係・多様性を研究しており、今回はこれまでに行ったDNA解析と飛島や佐渡島、利尻島、鳥海山、朝日連峰、日光など各地で行った自生地での形態形質調査の結果をポスター発表しました。 
 DNA解析では、北海道から中部地方までの広範囲で採取した約250個体の解析を行い、自生地での調査では、片道6時間以上かかる本格的な登山をして山頂付近で調査したり、滞在時間が限られる中、離島内をレンタサイクルで移動したりと、体力的にも大変な調査研究でしたが、玉川さんは地道に研究に取り組み、努力の甲斐あって、大変興味深い研究結果を出し、多くの参加者の関心を集め、高い評価を受けました。
 研究成果は、本年度末に、ジオパークでの講演会等で、一般の方々にも発表する予定です。

 
▲発表の様子                    ▲玉川加奈さん(右)と指導教員の笹沼准教授(左)

≪玉川加奈さんのコメント≫
 この度、第12回東北植物学会において、光栄なことに優秀発表賞を受賞することができました。ようやく対面での研究発表をすることができたこともあり、大変有意義な経験となりました。日本各地を共に飛び回り、日頃からご指導いただいた笹沼先生をはじめ、研究の土台を築いてくれた佐藤さん、本研究をご支援いただいた各ジオパーク職員の皆様、サンプリングにご協力していただいた皆様に感謝申し上げます。
 本研究は北日本に広く分布するゼンテイカ類の遺伝的な関係を明らかにしたもので、これまでには知られていなかった地域の特性も分かってきました。大切な地域資源である野生植物の価値を認識し、より多くの皆様の関心が寄せられることを、これからも期待しております。


■掲載日:2023.01.27