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作物育種学研究室の大学院生が東北植物学会で優秀発表賞を受賞

2023年12月9-10日に岩手大学で開催された「東北植物学会第13回大会」において、大学院農学研究科農学専攻生物生産学領域 作物育種学研究室修士2年の塩谷直弘さんがポスター発表を行い、優秀発表賞を受賞しました。おめでとうございます!  

本学会は、東北地区内で毎年1回開催されており、東北大学、宮城大学、石巻専修大学、岩手大学、弘前大学、福島大学、秋田県立大学と山形大学に加え、シンポジウムでは、東北農研と岩手生物工学研究センター等からの参加・発表もあり、ポスター発表24題の中から優秀発表賞(2名)が表彰されました。  

今回、塩谷直弘さんが受賞の対象となった発表演題は「ダダチャマメにおける早期開花遺伝子の推定と食味関連QTLsとの関係性」です。塩谷直弘さんは、ダダチャマメとダイズの交雑自殖集団を開発し、ダダチャマメの早期開花を制御するQTLを染色体上に位置づけました。候補となる遺伝子座領域内について、ゲノムリシーケンスとRNA-Seqにより、ダダチャマメの早期開花を制御する候補遺伝子を推定しました。本研究成果により、ダダチャマメが早期に開花する分子メカニズムが科学的に証明されただけでなく、早期開花がダダチャマメの良食味にも関係することが示唆され、ダダチャマメがおいしくなる分子メカニズムの解明も期待されます。

▲岩手大学の上村松生先生から優秀発表賞を授与された塩谷直弘さん
▲授与された優秀発表賞の表彰状

« 塩谷直弘さんのコメント »
「この度、光栄なことに、東北植物学会第13回において優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞することができました。本研究をご指導いただきました星野友紀准教授、宮城敦子准教授、国立科学博物館の小木曽映里博士、本研究のサポートをしてくださった研究室の皆様に感謝申し上げます。私は在来作物として鶴岡市で江戸時代から生産されているダダチャマメのおいしさメカニズムを解明することをテーマに研究を進めてきました。ダダチャマメの収穫期である8月の1ヶ月間は研究室総出で早朝に収穫を行い、サンプルの解析にはメタボローム解析を取り入れるため、宮城先生にご協力いただきました。研究室内外問わず様々な方々にご協力いただけたことで成し得た研究でもあります。御協力いただいた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
本発表ではダダチャマメの早期開花を決める遺伝子と良食味を司る遺伝子が共通である可能性を示し、歴史的背景を交えた考察を報告して、たくさんの方々と活発な議論をすることができました。ダダチャマメの良食味に関わる遺伝子は他にも複数あることも示唆されたため、今後もダダチャマメのおいしさメカニズムの全容を理解するために、研究に邁進したいと思います!」

本研究の一部は、(公財)マエタテクノロジーリサーチファンドと山形大学アグリフードシステム先端研究センター(YAAS)の支援を受けて実施されました。

 

■掲載日:2023.12.12