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2023年度カンボジア王国 国際交流スプリングツアーを実施

2024年3月12日~17日に開催されたカンボジア王国 国際交流スプリングツアーに、本学部の学生2名および教員1名が参加しました。

視察1日目、参加メンバーは、JICAカンボジアオフィスにて外山 Senior program Officerからカンボジアの農業全体の現状の説明を受けるとともに、今後の青年海外協力隊の活動内容についてご紹介頂きました。日本の若者への海外支援活動への期待度の高さを感じました。その後、CARDI(Cambodian Agricultural Research Institute:王立農業研究所)を訪問し、Dr. Chanthy (Deputy Director)より研究所の説明を受けました。稲作は、全土で3,552,738ha(MAFF,2021)の耕作がなされており、Rice Agro-Ecosystemとして雨季、乾季を通して生産体系を作っていることや、稲作、野菜、果樹、根菜類、豆類、観賞用植物まで幅広い研究が行われていることなど、ご説明頂きました。その後、約40年前、ポルポト政権下で行われた大虐殺の歴史を記したKilling Fieldおよび、S21 (トゥール・スレン虐殺犯罪博物館)を訪問し、暗いカンボジアの歴史を知りました。その後、カンボジアで唯一の高級モールと言われている、AEON Mall 1への視察を行いました。

視察2日目は、車で3時間ほどかけてKampong Thom州へ移動してカシューナッツ協会を訪問し、カシューナッツに関するビジネスについて学びました。午後は、Sambor Prey Kuk 考古遺跡群を訪問。元々ジャングルであったため、木々の繁殖で木に建物が飲まれている貴重な遺跡の案内を頂きました。その後、JICAの支援で(株)トッププランニングジャパンにて建設、運営されているカシューナッツ加工工場を視察し、経営企画部今橋室長による案内で、有機JAS認証、HCCAP認証を取得済みのクリーンな工場での選別作業を見学しました。仕入れ先である、マダムライホンさんのカシューナッツ農園を訪問し、カシューナッツの生育状況、カシューアップルの試食と栽培方法についての説明を受けました。

視察3日目は、Kampong Thom州から2時間ほどのSiem Reap州へ移動し、カンボジア地雷処理センター(CMAC)を訪問。ポルポト政権下で埋設された多様かつ大量な地雷の紹介、現在でも残っている地雷撤去の難しさ、地雷撤去の方法などを学びました。まだ各所で地雷を踏んだ農民など民間人が多数、大けがを負っている状況はまだ過去の内戦時代の問題が残っていることを学びました。午後は、APOPO - Humanitarian Deminingは、カンボジアのシェムリアップに位置する人道的地雷除去団体を訪問し、ラットを使った地雷除去方法を見学しました。

視察4日目は、9世紀に設立された世界遺産であるアンコールトム(Angkor Thom)を訪れました。アンコールトムは、アンコールワット寺院の北に位置し、約3キロメートル四方に広がる巨大な城郭都市の遺跡です。建造物には非常にたくさんの絵が書き込まれており、当時の繁栄を想像することができました。午後は、アンコール遺跡の一つであり、その遺跡群を代表する巨大な寺院であるアンコールワット(Angkor Wat)を訪問しました。建設時はヒンドゥー教寺院として作られましたが、16世紀後半に仏教寺院に改修され、現在も上座部仏教寺院となっています。面積は約200ha(東京ドーム約40個分)、中央祠堂の高さ約65mという圧倒的なスケールに加え、寺院の細部にまで施されたレリーフ装飾の素晴らしさを見ることができました。

本国際交流スプリングツアーは、現在のカシューナッツ栽培、生産などのこれからカンボジアの発展が期待される分野から、過去、ポルポト政権下での暗い時代の状況、そして王朝時代にさかのぼったアンコールトム、アンコールワットの壮大な繁栄時代の状況を体で感じることができたツアーでした。来期もこのようなツアーを検討しております。 ご参加お待ちしております。


■掲載日:2024.04.05