文字サイズ

第8回記者懇談会を開催しました

山形大学農学部では、年に数回、記者懇談会を開催しています。
11月11日(水)に、令和2年度第8回目の懇談会を開催しました。発表内容は以下のとおりです。


「ブドウのウイルス検定 ~安心安全なブドウ生産やワイン醸造を目指して~」

山形大学農学部 准教授 池田 和生(果樹園芸学)
山形大学農学部 助教  鍋島 朋之(園芸学)  
山形大学農学部 技術専門職員 太田 智弥


【概要】

 山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センター 池田和生准教授は、ブドウ樹に感染するウイルス6種の感染判定を行うサービスを開始することを発表しました。

 本県のブドウ栽培は全国3位の生産量を誇り、特に近年はシャインマスカットなどの高品質生食用果実や醸造用(ワイン)のブドウ栽培が増加しています。またそれに伴い、ブドウ栽培における病害虫対策の重要度が高まっています。

 ブドウ樹は他の樹種と比べると植栽密度が高く、必然的にウイルスの感染率が高い傾向にあります。ウイルスに感染すると、紅葉が早まることから光合成能力が下がり、糖度や機能性成分の蓄積量が減少してしまいます。害虫や病原菌とは異なり、ウイルス感染の場合は植え替え以外の対策がないことから、速やかなウイルス感染の特定が重要となります。

 当検定では、葉や枝などのサンプルからウイルスの遺伝情報を取得・分析し、感染の有無を判定します。このようなサービスを個別に実施することは県内では初めての取り組みです。池田准教授は、「本学の持つ知識や技術を生産者へ提供することで食の安全と安心につながれば」と述べました。将来的には、ブドウ以外の作物へのサービス拡大も検討されています。


    
▲(左から)池田和生准教授、鍋島朋之助教、太田智弥技術専門職員    

◎リリース資料はこちらからご覧いただけます(PDF)

 

■掲載日:2020.11.13