山形大学農学部

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受験生への応援メッセージ

山形大学農学部の学生から受験生の皆様への応援メッセージです。

【2010年3月卒業生】

安全農産物生産学コース
大竹 裕規

福島県立磐城高等学校出身
●研究テーマ:「米のアミロース測定における変動要因の解明」

農学部はお米や野菜、果物等を作り家畜を育てる研究ばかりしている、という印象を持っていませんか?いえいえ、そうではありません。農作物を作るにも、水や土、周囲の微生物や昆虫などの生態系等、ここでは書ききれないほど様々な要因が絡み合っており、皆さんが想像する以上の面白いテーマが農学にはあふれています。
私は今、植物病理学分野に所属し、いもち病菌の生態について研究をしています。イネいもち病は我が国で最も重要な植物病害で、イネの収量や品質の低下など甚大な被害を及ぼしますが、まだまだわからないことが沢山あります。そこで私はイネいもち病菌のこれまで知られていない新たな伝染経路を解明するために、同属菌であるメヒシバいもち病菌をモデルに研究しています。
大学は高校とは違い、自分が好きな分野をとことん勉強できることが最大のおもしろさです。それを自分で捜すことができれば、非常に楽しく有意義な大学生活が送れると思います。

食農環境マネジメント学コース
相馬 裕司

新潟県立新潟第一高等学校出身
●研究テーマ:「農業経営者による新規参入者育成の取り組みと課題〜ナレッジマネジメントによる分析をふまえて〜」

農学部の面白さはその多様性だと思います。米や野菜、家畜といった生物を対象とする研究はもちろん、土壌や水利、機械等の物理学的な研究、農業政策や農業経営を対象とする社会科学的な研究というように、非常に多様な観点から温暖化や環境汚染、食料争奪といった地球規模の問題へのアプローチを行っています。
私は農業経営経済学分野において、未来の日本農業を担う人材の育成に関する研究を行っています。現在の日本の農業は高齢者と後継者不足が深刻な状況にあります。そこで農業者が持つ農業生産に関わる様々なノウハウをナレッジマネジメントという経営管理手法を用いて整理・分析を行い、新たな農業への参入者がより円滑に就農できる方策について研究しています。
大学生活で何より魅力的なのは「自分の裁量で行動できること」ではないかと思います。いかにして大学生活を送るかは人によって千差万別です。かけがえのない「今、この時」をフル活用し、最高の大学生活にしてください。

食品・応用生命科学コース
小野 裕介

東北学院高等学校出身
●研究テーマ:「コパリル2リン酸合成酵素における生成物立体制御に関与するアミノ酸の探索」

高校の時から生物が好きで、なかでもバイオテクノロジーを用いた植物等の機能発展の話題には非常に興味を感じていました。そんな中で大学進学を希望し、様々な大学をオープンキャンパス等で見学した際、先端技術を用いた動物植物の機能開発等に取り組んでいる山形大学の生物資源学科に興味を持ちました。研究内容以外にも農学部といった場所が非常に自然豊かで学業に専念できるといった点も魅力でした。現在、私は生物資源学科生物資源利用化学講座の分子細胞生化学分野(食品・応用生命科学コースに該当)に所属して、植物のある酵素について組換え酵素を用いたタンパク質工学的手法により触媒能に関与するアミノ酸を探索するといった実験を行っています。時には失敗などで落ち込む時もありますが、この研究が様々なところで貢献できると考えると非常にやりがいを感じることができます。将来は、大学で学んだ経験や知識を生かせるような職業につけたらと考えています。

植物機能開発学コース
冨士田 のどか

山形県立山形西高等学校出身
●研究テーマ:「イネの根圏土壌のメタボローム及びイオノーム解析」

農学部といえば農業という印象を持ちがちだと思います。しかし農学部はそれだけではありません。農学部には食品、微生物、森林などの様々な分野があり、外でフィールドワークを行う人もいれば、白衣を着て試薬を作り、パソコンに向かってデータ整理を行っている人もいます。分野の幅の広さ、それが農学部のおもしろさの1つだと思います。
私は今、イネの根のまわりにある代謝産物と無機イオンの解析を行っています。根のまわりの代謝産物は土壌中の微生物の生育や植物の養分の吸収に影響を及ぼすため重要な役割を果たしています。しかしその組成はほとんど明らかになっていません。そこで各種代謝産物を一斉に分析することができるメタボローム解析を各種無機イオンを一斉に分析することができるイオノーム解析を用いて根圏土壌溶液中の代謝産物および無機イオンを明らかにすることを目的として日々研究を行っています。皆さんも自然あふれる山形大学農学部で学んでみませんか?

森林科学コース
千葉 翔

宮城県佐沼高等学校出身
●研究テーマ:「ニセアカシア種子における休眠と非休眠の生産比率」-個体による違いと河川周辺における分布状況-

入学当初は正直、樹木に興味なんてありませんでした。動物と違って動きがなく、つまらないなぁと感じていました。興味を持つきっかけになったのは、今の担当教員の講義と野外でのフィールドワークです。樹木=動かないと思っていた僕にとって、毎年決まった時期に咲く花、成熟するにつれ変色する果実、良い条件が揃った時だけ発芽する種子等、そこにはたくさんの「動」がありました。そして演習林で、その「動」を直接五感で感じました。衝撃的でした。しかも「動」には必ず意味があり、私達へのメッセージが隠されているのです。そんな僕は、現在河川敷で大繁茂している外来種、ニセアカシアからのメッセージを解読しています。彼らが大繁殖した裏側には、大繁殖に至った原因の「動」があるはずで、それが何かを突き止めれば、自ずと有効な駆除・管理方法が見えてくるはずです。それを信じて今日も僕は、ツナギを着て長靴を履き、調査地内を駆け巡るのでした。

水土環境科学コース
名木野 紗希

山形県立山形西高等学校出身
●研究テーマ:「乾いた砂層への給水条件が浸潤・再分布過程に及ぼす影響」

農学部は畑作物や稲作など“農業”だけを研究するところだと思っていました。しかし講義や実習、ゼミを通して、農業だけでなく食料や資源・環境問題などを含むとても幅広い分野があると分かりました。また、高校までは教科書や映像でしか知らなかったものを実際に育てたり触ったり、より専門的な勉強をするので、農学の幅広さや面白さを実感できました。
私は環境保全的な砂丘地農業を目標として砂層の水移動について研究しています。砂質土壌は肥料と水が流れやすいので、砂丘地農業は地下水汚染の虞があります。一方、給水前の水分状態や給水方法で土壌中の水移動が異なるので、私は給水方法を変えて砂層に生じる水移動を明らかにしようと、モデル実験を行っています。
大学では、自主的に行動すれば色々なことにチャレンジできます!私は2年生の時、短期海外研修に参加して中国に行きました。様々な経験をして自分を成長させられるように頑張っています。