山形大学農学部

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研究紹介

#02 メタボロミクスで生命現象を理解する

准教授 及川 彰(農産物生理化学)

 化合物や化学物質と聞くと、「危険」や「有害」などの言葉を想起してしまいがちですが、私たちは化合物によって構成され、化合物を用いて生活しています。例えば、体の中で働いている化合物の合成や分解が上手く進まなくなると体調が悪くなり病気になってしまいますし、これを化合物によって治療するのが薬です。また毎日の食事にも様々な化合物が含まれています。これら化合物の種類や量を網羅的に調べる手法をメタボロミクス(メタボローム解析)と呼びます。

 私の研究室ではメタボロミクスを用いて、細胞内における化合物動態の解析から、食品に含まれる美味しさや機能性に関わる化合物の定量まで、様々な生命現象の解明を試みています。ダダチャマメのメタボロミクスでは、ダダチャマメに呈味成分が多く含まれていることを明らかにしていましたが、最近、ダダチャマメには他のエダマメ品種には含まれない機能性成分が存在することを発見しました。

 山形県鶴岡市は世界でも有数なメタボロミクス拠点の一つです。私はこのアドバンテージを活かして、我々の生活に関わる様々な課題に取り組みたいと思っています。

   

▲キャピラリー電気泳動質量分析装置(左)とダダチャマメ(右)


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