山形大学農学部

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渡辺昌規准教授が山形県水田農業試験場との共同研究成果を発表しました

 本学部渡辺昌規准教授(バイオマス資源学)と山形県農業総合研究センター水田農業試験場による共同研究チームは、6月7日(木)の学長定例記者会で、機能性成分として知られているフィチン酸の含量が米の品種間で大きく異なることを明らかにしました。
 フィチン酸は有機リン化合物の一つで、米の胚乳のデンプン合成を安定化させる働きがあり、アルツハイマー性認知症の予防、抗腫瘍作用にも効果があるとして海外ではサプリメントとして広く販売されています。
 共同研究チームは、平成26年度より4年間にわたり、主食米、酒米、糯米、多収米、飼料米を含む17品種の糠成分の分析を実施し、“どまんなか”がコシヒカリよりも3割多く含まれる高フィチン酸蓄積品種であることを発見しました。
 さらには、系譜と糠中フィチン酸含量の関係について解析を進めた結果、 “どまんなか”、“はえぬき”、“庄内29号”、“び系94号”の4品種は、高フィチン酸蓄積品種グループを形成することも判明しました。
 今後は、フィチン酸の蓄積と米食味・物性との関係を明らかにするとともに、“どまんなか”の機能性米としての有効性を生かしたサプリメントなどの商品開発が期待されます。


▲6/7学長定例記者会見にて
(右から山形県農業総合研究センター土地利用型作物部長 中場 勝氏、渡辺昌規准教授)

2018.6.12掲載