山形大学農学部

文字サイズ

本学大学院生 飯島信繁さんが(公財)林レオロジー記念財団の奨学生に採用

 (公財)林レオロジー記念財団は、日本の食料品製造機械産業における研究開発を支援するための助成事業、人材育成事業に関する事業を行い、技術大国日本における食料品製造機械産業の活性化に寄与すること、並びに食文化の研究事業等を行い、国内外における各国各地域独自の食文化の発見、再興、普及の促進に寄与することを目的としています(http://www.hayashi-rheology.or.jp)。
 本学大学院生 飯島信繁さん(植物機能開発学コース 星野研究室)は、(公財)林レオロジー記念財団が平成30年度に募集した奨学生に、「イネの品質安定化のための新規遺伝子の単離と機能解明に関する研究」をメインテーマに掲げ応募し、この度、採用が決定しました。飯島さんは、世界の食料生産を進歩させるための手段として、現行研究の主流である多収量性とは全く異なるアプローチとして、穀物の「品質安定化」を目指した研究を行っています。品質安定化のターゲットとして、飯島さんは、植物自身が持つ環境適応力の1つである「穂発芽耐性」に着目しています。飯島さんはこれまでに、インド稲品種「ノナボクラ」が保有する発芽を抑制する量的形質遺伝子座について、その候補領域の絞り込みに成功し、新規な穂発芽耐性遺伝子を明らかにしました。本年度は、林レオロジー記念財団の奨学生として、飯島さんが明らかにした穂発芽耐性遺伝子について、種子の登熟段階における遺伝子発現解析や、変異創出による発芽率調査等を行い、この遺伝子の機能を詳細に解明していく予定です。
 本研究によって、発芽の新たな制御メカニズムが明らかにされるとともに、本遺伝子を品種改良の道具として利用することによって、米の品質向上が期待できます。


▲飯島さんが採用された公益財団法人林レオロジー記念財団の奨学証書


▲穂発芽耐性遺伝子の単離と機能解明を行うため、附属やまがたフィールド科学センター高坂農場でイネ実験系統群の出穂調査を行う飯島さん

2018.6.13掲載