耕 種 田んぼ日誌 記事 |
墨で抑草!?学生実習![]() 生物生産学科3年生で「フィールドサイエンス実習U」という授業があります(2011年現在)。 自分が配属された研究室とは違った分野のテーマでプチ卒論を書こう、といった授業です。先生の助言を借りながら学生自ら課題を設定して、計画を立て、実験、統計処理、発表まで行います。 今年は「墨で抑草する」という面白い取り組みを行っておりましたので、ご紹介したいと思います。 ![]() 6月13日。墨抑草試験区です。 市販の(一番安い)墨汁を入れています。 ![]() しばらくすると一面に広がります。黒い墨で遮光されて雑草が光合成しにくくなり、抑草につながるのではないか?という仮説を設定。 すでにヒエがちらほら見えますが、今後どうなっていくでしょうか? ![]() 手除草区。 この区がきれいなのは当然でございます。 ![]() 無処理区。 すごい雑草です! ![]() しっかり3反復しております。 信頼できるデータが期待できそうです。 ![]() 7月11日です。イネも雑草も生長してきました。 ![]() 手除草区。 やはりこの区はきれいですね。 小さい面積に見えますが草取り作業は大変だったはずです。 ![]() 無処理区。 ヒエだかイネだか区別がつかないすごい状態! 続いて、墨抑草区はどうでしょうか? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ![]() うん。 無処理区と比べれば雑草は少ないですね! 以下、みなさんのレポートを拝読したので簡単にご紹介します。 結果としては、ヒエ、コナギの乾物重において墨区と無処理区間に有意差はありませんでした。(見た目では少ないようにしか見えませんが・・・)ただ、それ以外の雑草との間には有意差が認められました。今回の実験では墨はヒエ、コナギ以外の雑草に対しては抑草効果があったといえます。 課題としては、コストがかかるということ。やはり墨は除草剤に比べると高いです。また、吸光度測定の結果より2日でほぼ濁りが消えていることがわかり、着色料の検討が必要であるということです。あとはイネの光合成も抑えてしまい、特に初期生育が悪くなるということも課題としてあげられます。 ![]() サンプリングの日に撮影。4人で頑張りました! 以下、感想抜粋です。 「何もないところから結果をうみだすことの大変さを身を持って学べました」 「実験計画の組み立て方や、結果に対する検定の仕方も身につけることができました」 「卒論に取り組むにあたっての良い経験になりました」 とても良い経験になったようですね。 技術職員 佐久間拓也 |